お話「原発事故から9年~食品の放射能汚染の現状は今どうなっているか~トリチウム水の危険性を考える」川根眞也 6月14日(日)14:20~ Zoomミィーティング

 大阪・高槻・市民放射能測定所 開設7周年の集い

 大阪・高槻・市民放射能測定所は、福島原発事故以降の放射能内部被曝に警鐘をならすため、毎年約600検体を測定し、その結果を内外に報告してきました。そして、今年6月で7周年を迎えます。福島事故は未だ収束しておらず、放射能汚染も続いており、放射線による健康被害は明らかです。原発事故以降9年を振り返り、脱原発に向けて議論を深めたいと思います。今回の7周年の集いは新型コロナ禍の影響を少しでも避けるため、「Zoomでリモート参加形式」で行います。
 測定所スタッフのみなさまも会員の皆さまも、不慣れな形式での集いになることをご容赦下さい。

 2020年6月14日(日) 14時~16時

 測定所からのZoomでリモート参加

 お話 川根 眞也さん 内部被ばくを考える市民研究会代表
『原発事故から9年~食品の放射能汚染の現状はどうなっているか~トリチウム水の危険性を考える』
 放射線と内部被ばくについての正しい知識を市民に広め、子どもたちが保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学等で放射線被ばくしないように、安全性の確保や、妊婦、乳幼児のいる家庭への安全な食材の供給体制づくりを目指して各地で精力的な講演会活動を行っている。

<プログラム>
14:00 測定所活動報告
14:20 講演 川根眞也さん
15:30 質問・交流タイム
16:00 閉会

会員の皆さまには、当日メールでZoomのURLをご連絡します。
会員以外の方でZoom参加をご希望の方は、事前に「お名前とメールアドレス」をご連絡ください。当日メールでZoomのURLをご連絡します。

参加申し込み宛て先 hsnk アット tcn.zaq.ne.jp (アットを@に換えて下さい) 代表:時枝功

大阪・高槻・市民放射能測定所
〒569-0003 大阪府高槻市上牧町2-6-31 本澄寺内
申し込み・問い合わせ 電話:072-669-1867
           メール: hsnk アット tcn.zaq.ne.jp (アットを@に換えて下さい)

英国における原子力施設周辺の小児白血病 (09-03-01-01 ATOMICA) セラフィールド再処理工場

原子力百科事典 ATOMICA 日本原子力研究開発機構(JAEA) 

<概要>
 英国の核燃料再処理施設周辺(セラフィールド、ドーンレイ)で小児白血病の発生率が全国平均よりはるかに高いことが1983年発表され、その主たる原因は再処理施設から放出された放射性物質によるものではないかという疑いがもたれた。
 この真偽を確かめるため専門家による諮問委員会等で詳細な検討が重ねられたが、その発生率は環境中に放出された放射性物質の量から推定される期待値よりはるかに高いものであり、説明がつかなかった。現在(2000年1月)も、他の種々な原因について検討中である。 <更新年月>
2005年02月   
<本文>
 1983年11月1日、英国ヨークシャーテレビ局は、セラフィールド再処理施設周辺の町村で子供のがんや白血病の発生率が全国平均よりはるかに高く(例えば2.4km離れたシースケール町では10倍)、それは再処理施設から放出される放射性物質によるものであるとした内容のテレビ放送を行なった。
 そこで専門家がその事実の正否について検討を行なった。セラフィールド再処理施設(旧名:ウィンズケール再処理施設)からの放射能の環境中への放出量を調査し、また疫学調査の結果を吟味した結果、放出量から期待される白血病発生率と観察値の間には大きな差のあることが判明した。すなわち、シースケール町(Seascale:イングランドの北西海岸)の1950年集団の住民各個人が、1950〜1970年の期間に施設から放出された放射能で受ける赤色骨髄線量を計算すると、約3.5mSvとなる。これは調査期間中の自然放射線による線量の13%に相当する(ただし、この値には1957年のウインズケール原子力発電所での火災に起因する0.8mSvの線量が含まれている)。これよりシースケール住民の白血病の発生リスクを求めると、0.091例という値が得られる。一方、現実には1945年以来、4例の20歳未満の白血病患者がシースケールで発生している。これから自然放射線による白血病発生リスク0.5例を差し引くと、3.5例が過剰発生ということになる。放射性核種放出による過剰発生の期待値は0.091例であるから、この値は期待値の40倍である。したがって、3.5例の過剰発生をすべてセラフィールド再処理施設からの放射性核種放出によるものとは考え難い。
 放射線以外の発がんに関係がありそうな要因や放射線と他の要因との複合作用についても検討したが、この地域に特有な発がん要因は見出されなかった。結局テレビ報道の真偽を立証することができなかったが、そうかといって完全に否定するような有力な証拠も得られなかった。
 この問題はその後も尾を引き、他の再処理施設周辺(ドーンレイ:Dounreay、スコットランド北部西海岸、図1参照)でも同様な調査が行なわれ、専門誌に論文が発表されている。すなわち、ドーンレイ原子力施設から12.5km以内の区域で、1979〜1984年間に0〜24歳の白血病発生が期待値の約10倍高くなっていた。しかし、1968〜1978年には過剰発生はなかった。これらの結果は白血病発生数が調査期間および調査区域に大きく依存することを示している。一方、ドーンレイでの放射性物質放出量と疫学調査の結果とを再検討した他の専門家の研究によると、ドーンレイ原子力施設から25km以内の地区の小児白血病は英国平均の2倍高いが、統計上有意ではない。しかし、12.5km以内では3倍高く統計上有意となること、および1979〜1984年間に限ると25km以内でも統計上有意となり、12.5km以内ではさらに10倍も高くなることから、ドーンレイ周辺で若年齢者に白血病の発生が有意に増加していることは確かである(表1参照)。セラフィールド再処理工場周辺でも同じような傾向があることから、再処理工場の何らかの特性がドーンレイ周辺の若年齢者の白血病のリスクの増大をもたらしているということはありうる。
 しかし、一方でドーンレイから放出された放射性物質により周辺公衆のうける線量は、自然放射線、医療放射線、フォールアウトを含めた全体の1.3%とごく低く(表2参照)、1989年の時点での知見では、白血病の過剰発生を放出された放射性物質で説明することはできない(表3参照)。
 1990年、ガードナー等は25歳以下の白血病およびリンパ腫について、行政教区レベル(シースケール町を含む)の小地区、並びに放射能汚染地域一帯と従業員の居住区を含む郡レベルで、症例−対照研究を行った(文献6)。可能性が疑われる9つ以上の要因についてそれぞれ白血病発症との関連を調査した。その結果、一般環境中の放射性物質が関係するような海岸で遊ぶ頻度とか、魚を食べる頻度などの因子について、対照者群に比べ患者群がより多く曝露されていたというデータは得られなかった。しかし表4に示すように、父親がセラフィールドで働いていた場合の相対リスクは高く、さらに被ばく線量別にわけると、線量の大きいほど白血病発症の相対リスクが増加し、線量−反応関係を示した。さらに、受胎前6ヶ月の線量では10mSvで白血病発症の相対リスクが有意に7倍も高かった。また、放射線作業開始後の累積線量が100mSv以上で相対リスクは約6倍と大きく、有意であった。
 しかしながら、その後行われた他の調査では、子供の受胎前の父親の被ばくだけではシースケール町の白血病発症のクラスターは説明できず、Kinlenは人口が粗な地域に大量の人口が流入した場合に生じるウィルス感染に対する免疫力の低下で説明しようとした(この考え方をKinlen人口混合説と呼ぶ、文献6、7)。1983年のテレビ放映以後、この件に関する1990年までの経緯をまとめたものが図2に示してある。
 1994年の論評(文献8)によると、父親の受胎前被ばくとその子供の白血病の発生率との間には関連性があるという仮説は、放射線遺伝学の知見においても、小児白血病の遺伝性に係わる知見においても、またその他の放射線および白血病リスクに関する研究からも支持できず、おそらく父親と白血病との関連性は偶然による可能性が高いこと、またもう一つの可能な説明としては、Kinlenのいう都市部、或いは農村部からの人口流入説もあるが、この説だけでは説明できず、恐らく種々な原因の中の一つであろうとしている。
 スコットランド北部のドーンレイ再処理施設から25km以内で、1968〜1991年にわたり、0〜24歳の年齢層での白血病・非ホジキンリンパ腫の発生率の期待値5.2に対して、観察値12と約2.4倍で有意(p=0.007)な集積性が観察された。さらに1985〜1991年では観察値/期待値は4/1.4で約3倍で有意(p=0.059)であった。しかしながら、セラフィールド施設で見られたような、高い発生率と父親被ばくとの関係は見られなかった(文献9)。
 イングランド・ウェールズにおける原子力施設周辺25km圏と6つの対照地域の発症率を調査した。このうち子供の白血病が有意に高かった施設は2つで、1つはセラフィールドで、もう1つはアルダーマストン・バーグフィールドで観察値/期待値=219/198.7=1.10(p=0.031)であった。これらから、すべての原子力施設近辺で白血病の過剰発生があるとは言い切れない(文献10)。
 イングランド北部で1968〜1985年の間に急性リンパ性白血病と診断された15歳未満の小児について地域集積性について調査したところ、5地域に集積が認められたが、放射線以外の環境要因による可能性が高いと報告されている(文献11)。 <図/表>
表1 ドーンレイ地域、0〜24歳の白血病登録(1968〜1984年)
表2 1960年に生まれたある個人の赤色骨髄への被ばく線量(1960〜1984年の線量(mSv)
表3 1950〜1984年にドーンレイ付近のサーソ市で生れた4,550人の子供に対する放射線誘発白血病の推定値
表4 ウェストカンブリアの若年者における白血病リスク増加に関する因子
図1 英国における原子力施設
図2 英国原子力施設周辺における若年齢層白血病のこれまでの経緯

<関連タイトル>
イギリスの再処理施設 (04-07-03-09)
セラフィールド再処理工場から海洋への放射性廃液誤放出事故 (04-10-03-01)
白血病 (09-02-05-02)
<参考文献>
(1)Sir. Douglas Black:Investigation of the Possible Increased Incidence of Cancer in West Cumbria. Report of the Independent Advisory Group, HMSO(1984)
(2)岩崎 民子、市川 雅教、小林 定喜:英国セラフィールド再処理施設周辺の小児白血病発生増加の可能性について、放射線科学、28(6),144-145(1985)
(3)Committee on Medical Aspects of Radiation in the Environment. Investigation of the Possible Increased Incidence of Leukeamia in Young People Near the Dounreay Nuclear Establishment, Scottland, London: HM Stationary Office(1988)
(4)岩崎民子:英国原子力施設周辺の若年齢層白血病増加に関する研究、放射線科学、31(10),279-284,31(11),311-313(1988)
(5)Gardner,M.J., M.P.Snee,A.J. Hall et al.:Results of case-control study of leukemia and lymploma among young people near Sellafield nuclear plant in West Cumbria. Br.Med.J-300:423-429(1990)
(6)Kinlen,L.J.:Can paternal preconceptional radiation account for the increase of leukemia and non-Hodgkin’s lymphoma at Seascale. Br.Med.J-306:1718 -1721(1993)
(7)Black,R.J.,Sharp,L.,Harkness,E.F.,et al.:Leukaemia and non-Hodgkin’s lymphoma,incidence in children and young adults resident in the Dournreay area of Caithness.Scotland in 1968-91.J Epidemiol and Community Health,48:232-236(1994)
(8)Bithell,J.F.,Dutton,S.J.,et al.:Distribution of childhood leukaemias and non-Hodgkin’s lymphomas,near nuclear installations in England and Wales. Br.Med.J.,309:501-505(1994)
(9)(財)原子力安全研究協会編:父親の被ばくと小児白血病−ガードナー仮説に関する検討−、1996年3月
(10)Muirhead,C.R.:Childhood cancer and nuclear installations:a review,nuclear energy,37(6),371-379(1998)

ラ・アーグ再処理工場周辺の白血病、 消えない疑惑   1999年12月30日 フランスACRO

ACRO(アクロ)ダヴィッド・ボワイエ
原子力資料情報室通信 No.307 1999.12.30

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「北部コタンタン半島における白血病に関する新しい疫学調査と放射線・生態学調査のための科学委員会」の放射線・生態学調査部会は2年間にわたる調査の結果、1999年7月7日に報告書[http://www.irsn.fr/nord-cotentin/ で入手可能]を発表した。そのわずか数日前のことだが、あるフランスの週刊誌が「ラ・アーグ:危険は皆無」というタイトルの号を発行した。その中ではフラ ンス、ドイツ、そして日本の原子力産業が報告書の結果を「再処理は危険な事業ではない」と主張するのに利用した。報告書によると、同部会の任務は「ボーモ ン-アーグ(Beaumont-Hague)地区に住む0~24歳の人々について、1978~1996年の間における、放射線による骨髄被曝で起こる白血 病の発病リスクを推定すること」であり、「従ってこの報告書は、北コタンタン半島に位置する原子力施設群による全リスクの評価と解してはならない」のだ が、上記の原子力産業の動きは、報告書の趣旨をねじまげたものである。放射線は白血病のみならず、様々な種類の疾病の原因となるが、この報告書は白血病のみを取り扱っている。それは、ラ・アーグ再処理工場付近の若年層 における白血病およびその増加が海と関係あるとした、J.F.ヴィエルとD.ポベルによる疫学調査の研究論文を念頭に置いたからである。それはセラフィー ルドおよびドーンレイの再処理工場周辺に関して英国で行なわれたものに類似した研究である(J. F. Viel, D. Pobel, A. Carre, STATISTICS IN MEDICINE,vol14, 1995; D. Pobel, J.F. Viel, British Medical Journal, vol314, 1997)。

確実に存在するリスク

部会報告書において、核施設から放出された放射性廃液によって若年層の白血病が発生する確率は0.0020とされており、これは小さいがしかしゼ ロではない。この値を得る過程では、多くの未知のパラメーター(変数)が用いられており、不確実な事柄は推定に反映されていない。「それゆえに、放出され た放射性廃液が、実際の白血病数に対して影響を及ぼした可能性はないと結論することはできないと部会の何人かのメンバーは考えている。」しばしばこの0.0020という数値だけがこの報告書の要旨として短絡されてしまう。部会は、放出された放射性物質の網羅的なリストを作成し(公式 のリストに掲載されている以外に39種の放射性物質を追加)、環境中での放射性物質のふるまいに関するモデル計算を、収集した50万もの実際の放射能測定 値と比較した。これによって、放出管の近く以外については、海への放出のモデル計算について、かなりの確信を持てるということがわかった。しかし大気中へ の放出に用いたモデルの方は場所によっては適用できないということもわかり、その妥当性を証明する作業が課題として残っている。

計算された、もしくは実際に測定された環境汚染の程度をもとに被曝線量を求めるためには、住民の生活様式のモデル化を経なければならない。 そのうえ、白血病数の評価は、短時間に被曝した広島・長崎の被爆生存者に関する統計から推定されており、ラ・アーグ周辺でのような長期的な被曝にもとづい たものではないのである。

部会報告書によると、この地域の普通の成人の1996年の被曝量は0.005ミリシーベルト、しかし放射性廃液の海への放出が最も多かった85年 には0.018ミリシーベルトと推定される。ちなみにコジェマCOGEMA(フランス核燃料公社)が実際に調査した漁夫の対照グループ[調査対象]につい ては、96年で0.008ミリシーベルト、85年に0.041ミリシーベルトである(もし同じ漁夫たちがレウケ[Les Huquets、再処理工場からの廃液放出管の出口付近の地名]で漁をしていた場合、ACROの試算では、85年の被曝線量は0.226ミリシーベルトに 達したと考えられる)。また報告書では、子供が放出管付近で取れたカニを一個食べただけで0.313ミリシーベルトもの被曝になる。他のシナリオについて も試算がされている。
過去の重大な事故2件による被曝については、1979~80年の放出管の破損により漁夫ひとりあたり0.9ミリシーベルト、81年に起きたピットの火事により、風下の住民が3.4ミリシーベルトの被曝になると試算されている。

疑わしければ防止すべき
この報告書は、この類の研究が市民組織(NGO)との共同作業によって行なわれた最初の例であった。ただし真に独立的な専門研究を行なうためには、 多くの原子力産業の代弁者たちが行なったのと同様に、我々は毎日フルタイムでその研究計画のために作業しなくてはならなかっただろう。それはNGOのボラ ンティアには不可能なことだった。それでもなお、我々の果たした役割は、情報公開を促すという点で大きかった。

ACROとしては、報告書が、危険を過少評価しがちな「現実的」方法を採用しているという点を最も問題視している。たとえば、放射性廃液の 海洋放出管の近くで釣りをするということは報告書では「現実的」なこととして扱われていない。しかしそれは充分ありえるのである。「包括的」方法を採用し ていれば、考えうる危険な行動は全て考慮に含められたに違いない。被曝線量を30倍高くして計算すれば(この仮定は必ずしもばかげたものではない)、白血 病患者が新たに一人増える可能性は、5%高くなる。これは一般に統計上有意とみなせる値である。

以上のような理由により、疑惑は依然として残ったままだとNGOは考えている。「重大あるいは取り返しのつかない損害の恐れがあるところで は、十分な科学的確実性がないことを口実に、環境悪化を防ぐ効果的な対策を遅らせてはならない」(1992年の「国連環境開発会議」リオ宣言第15項で示 された予防原則)のである。
(訳:藤野聡)

チェルノブイリ原発の立ち入り禁止区域と強制避難地域で火災(4月4日から) 2020年4月25日現在延焼を停止 しかしいまだにくすぶり続けている

チェルノブイリ火災:停戦は停止しましたが、焦点があります 2020年4月25日チャンネル24他

チェルノブイリ原子力発電所の立ち入り禁止区域と強制避難地域では、2020年4月25日、救急隊員が延焼を停止しましたが、いまだにくすぶりの病巣が残っています。一方、ウクライナの水文気象センターは、燃焼の産物はキエフ地域の西に到達すると述べています。

2020年4月5日、森林火災発生当初、火災中心付近の空間線量は2.6マイクロシーベルト/時まで上昇しました。これは、付近の通常の空間線量の0.16マイクロシーベルト/時の16倍です。

ウクライナ生態学調査当局のトップ、エホール・フィルソフ(Yegor Firsov)氏は2020年4月5日、「火災の中心部で、放射線量が通常値を超えている」とフェイスブック(Facebook)に投稿。放射線測定器のガイガーカウンターが通常の16倍の放射線量を示す動画も公開しています。それが以下です。

www.facebook.com/100000190799435/videos/3393938787289114/

立ち入り禁止区域で大気中に放出された燃焼生成物は、風によってジトームィル地域の北に運ばれます。コロステンとジトームィルは脅威にさらされている。それについて知らされていたウクライナの水文気象センターのミコラ・クルビダの責任者は、ウクライナ「チャンネル24」に連絡しました。

大気中に放出された燃焼生成物は、時速15キロまでの速度で東方向に移動しています:居住禁止区域からキエフ地域の西部地域へ、そしてジトーミル地域の北部地域から、コロステン市とジトーミル市まで移動しています とミコラ・クルビダは語りました。

4月25日現在の状況

 2020年4月25日の朝、立入禁止区域では、ルビャンスキー、パリシェフスキー、ディティアトコフスキー、デニソビチの各森林地域で消火活動が行われました。主な取り組みは、2つの細胞の局在化です。彼らはKryva GoraとRudyka-Buryakivkaの村にあります。そこでは、通過した火の中心にある切り株、木材の残り、泥炭がくすぶり続けてい ます。

消防士が火災と戦うために何をするか
火災により、1069 人と253個の機器 が消滅しました。これには、SESと軍からの1032 人と250個の機器が含まれます。
彼らはSESSの重機と軍のウェイフィラーの助けを借りて防火帯を装備しています。
鉱化レーンは、火災の拡大を防ぐために敷設されています。すでに949キロメートルあります。
くすぶっている別のエリアは3機のヘリコプターで消滅しています。4月24日の間に176トンの水が投棄されました。
以前、SESの緊急対応部門の責任者であるVolodymyr Demchukは、Ukrzaliznytsiaの消防車も消火に関与していると述べました。さらに、イヴァノフランキフスクとテルノーピリ地域からのSESユニットと消防設備の撤廃を支援すると、24チャネルが報告されています。

ウクライナ水文気象研究所Volodymyr Osadchyの局長によると、放射性核種の含有量は、チェルノブイリゾーンでのすべての火災の最大許容限度を 超えたことはありません。
記録された値はすべて、このレベルの数百分の1でした。これは、私たち全員が砂嵐を目撃した日にも当てはまります 。

同時に、彼は環境の放射線モニタリングの特別部門が放射線汚染を扱っていると付け加えた。

4月20日の朝、立入禁止区域に直火がなかったと付け加えます。しかし、キエフ地方で風が吹いているため、状況は依然として危険です。火災が再開したのは彼らを通してでした。

チェルノブイリゾーンの様子:ビデオ

原発を抱える自治体での新型コロナ集団感染のリスク 大飯原発3号機定期点検5月8日から作業員1800人新たに集結、1日あたり3600人が作業

[解説]原発ほど、科学技術の粋を集めた未来のエネルギーと言われながらも、汚い「死の灰」を日常的に作り出し、人間の被ばく労働を踏み台にして動いているものはありません。大飯原発3号機が2020年5月8日から定期点検に入ります。今回の定期点検には新たに1800人(うち800人は県外から終結)が参加し、1日3600人が作業すると福井新聞が報道しました。新型コロナ感染拡大の折、全国に緊急事態宣言が出されていて、「不要不急の外出は控えるように」との指示が出ています。このままでは、福井県で新たなる感染爆発が起きる可能性があります。かと言って、定期点検もしないまま原発を放置するのも危険。行くのも地獄、去るのも地獄の状況です。

そもそも関西電力の原発は火山灰問題で稼働するべき段階。原子力規制委員会更田委員長の「火山灰評価」個人的誘導で結論を出した問題があります。原子力規制委員会でもない、「事前会議」で2案のうち1案では関西電力の原発審査が「適合審査に合致していない印象を受ける」と更田委員長自身が、結論を誘導。本会議ではたった5分で議決した問題があるままです。

原子力規制委 更田委員長の「虚偽説明」明白に 事前会議の音声記録入手 資料を基に議論主導 2020年3月25日 19時00分 毎日新聞 
毎日新聞が独自に入手した、「事前会議」の音声データを基に、更田原子力規制委員会委員長に追及する動画もあり

 関西電力の高浜、大飯、美浜は運転を中止するべきです。原子力規制委員会は、自らの法令違反を糺すところから、始めるべきです。定期点検ではなく、最低限の保守点検だけを行い、基本福井県民だけで保守点検を行うべきです。もし、県外の技術員、作業員が必要であるならば、その県外職員のPCR検査をまず先に行い、2週間隔離、その後に保守点検を開始するべきです。同様に県内職員についてもPCR検査と2週間隔離をするべきです。原発が新型コロナウィルスで汚染された場合、消毒のために保健所職員が何人も被ばくしながら消毒する事態になりかねません。

原発定検に不安 8日から大飯3号 県外から作業員900人 現場は密集 町民ら「対策不十分」

2020年4月25日 福井新聞

 関西電力大飯原発3号機が5月8日、定期検査に入る。通常なら地元の飲食店や宿泊業の書き入れ時だが、新型コロナウイルスの感染拡大で住民の思いは複雑だ。関電は感染防止対策の徹底で「絶対に持ち込ませない」と強調するものの、不安の声が消えない。福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)には、原発の作業員からも「現場の感染リスクは高い」との懸念が寄せられている。(川上桂、野田勉)

 大飯3号の定検は8月まで行われる予定。県外の約900人を含む約1800人が作業に加わり、1日当たり約3600人が出入りする計画だ。

 おおい町の中塚寛町長は21日、定検開始に向けて関電に感染防止の徹底を念押しし、同じく原発が立地する美浜、高浜両町も要請した。県も23日に新型コロナの「県民行動指針」の活用を関電に伝えた。

 これに対し、大飯発電所の文能一成所長は24日、おおい町会全員協議会でコロナ対策を説明した。来県2週間前から作業員の体調と行動をチェックし、異常があれば「町に入らせない」と述べた。来県後も行動履歴や体調把握に努めているとした。

 町議からは「2週間前からチェックというが、自宅待機ではない。信用性が担保できない」と厳しい指摘が飛んだ。文能所長は「ウイルスを絶対に持ち込まない」と決意を述べた。

 関電は具体策として、作業員が通勤バスの乗車前に並ぶ際の間隔確保、マスク着用義務、窓開け換気などを挙げる。だが、通勤バスの様子について、おおい町の60代男性は「定検前の今の状況でさえ、朝夕は満員。対策が十分とはとても見えない」と指摘する。

 心配な気持ちは作業員も同じだ。「ふく特」に不安を寄せた作業員は24日、福井新聞の取材に対し「今働いている現場は狭く騒音があるため、マスクを外して近距離で会話するなどコロナ対策はされていない。作業員の感染リスクはとても高い。怖い」と切実に訴えた。

 大飯原発のある大島区の60代男性は「感染者が出ればデイサービスが休止になるなど高齢者や弱者にしわ寄せがくる」と心配する。今は原発の運転よりもコロナ対策を優先してほしいとし、「慌てて動かす必要はない。検査期間を延ばし、感染防止第一でゆっくりやってほしい」と話した。

2月例会のお知らせ 2020年2月23日(日) 13:30 ツイャスのみ配信

<お断わり>2月例会のお知らせです。偶数月に定例で埼玉県さいたま市で開催しています。今回は新型コロナウィルス感染が広がる状況下にあります。みなさんの感染予防と静養を考えてインターネット中継のみにて行います。

※ 偶数月に埼玉県さいたま市で開催しています。今回2月例会はインターネット中継でのみ行います。以下、ツイキャスをご覧下さい。

 新型コロナウィルスが日本全国、北は北海道から南は沖縄まで感染が広がっている状況下です。しかし、この「新型肺炎」のニュースに隠れてちゃくちゃくと、東京電力が引き起こした福島第一原発事故による放射能汚染水の「処理できてない水」が海洋放出されようとしています。もと民主党野田内閣の原子力防災特命担当大臣だった、細野豪志が、連日のように「トリチウムは自然界にもあり、各国も海洋放出しているから安全」とYoutube動画も流しながら広報活動を行っています。細野豪志は国際原子力機関(IAEA)の日本委員なのでしょうか?または日本委員候補なのでしょうか?

 東京大学助教の小豆川勝見氏も、市民放射能測定室の測定に協力しつつ、市民団体の作ったパンフレットで「現段階での放出量では人体への影響はあまりない。トリチウムはそのエネルギーがごく弱い。同じベクレル数で考えると、プルトニウムがバットで叩かれるくらいの影響がるとすれば、セシウムがおでこを指ではじかれるくらい、トリチウムは見耳に息をふっと吹きかけるようなものです」と語っています。

小豆川勝見 トリチウムは耳に息をふっと吹きかけるようなもの こどもみたい測定所「はかる、知る、くらす」 2014年3月31日

小豆川勝見氏のホームページには国際原子力機関(IAEA)のリンク先がついています。

K.Shouzugawa ホームページ

 国際原子力機関は、アメリカなど5カ国の核兵器保有は擁護し、その下での原発利用を全世界に推進している機関です。小豆川勝見氏もまたこの国際原子力機関(IAEA)の日本委員、または日本委員候補である可能性があります。

 昨年2019年4月10日に東京電力福島第一原発の立地自治体である、大熊町の34%が避難指示解除されました。そのプルトニウムやストロンチウム90汚染もある大熊町の避難指示解除にお墨付きを与えたのが、「大熊町除染検証委員会」。そして、この小豆川勝見氏は「大熊町除染検証委員会」の委員でした。日本で市民の側にたってストロンチウム90の測定を行う風であった、小豆川勝見氏が「大丈夫」と言うことによる、町民の安心効果を狙ったものだ、と思われます。

第1回大熊町除染検証委員会 2018年11月8日

 来月3月4日、ついにもう1つの東京電力福島第一原発の立地自治体である双葉町の一部避難指示解除が行われます。

福島県双葉町の避難指示、一部解除決定 3月4日、原発事故後初 2019年12月26日 時事通信 地図

「東京電力福島第1原発が立地し、事故により唯一全町避難が続く福島県双葉町の避難指示が来年3月4日に一部解除されることが26日、政府と同町の協議で決まった。同町での避難指示解除は初めて。今後、政府の原子力災害対策本部で正式決定する。

主な解除対象は、太平洋に面する町北東部の避難指示解除準備区域で、同町の面積の4%に相当する。除染により線量が平均毎時0.16マイクロシーベルトに下がり、解除要件を満たすと判断された。ただ、居住は想定されておらず、域内にある産業団地への企業誘致や、来夏開業予定の震災伝承施設への来訪者受け入れなどが検討されている。

 3月末までに予定されているJR常磐線の全線再開に合わせ、帰還困難区域となっている双葉駅周辺も避難指示が解除される。 」福島県双葉町の避難指示、一部解除決定 3月4日、原発事故後初 2019年12月26日 時事通信

 果たして、放射性セシウムだけではなく、プルトニウムやストロンチウム90も飛び散っている町の一部を除染しただけで、住民を帰還させてよいのでしょうか?

 記事に書かれているようにあいもかわらず、「空間線量が0.16マイクロシーベルト/時以下に下がり」と、空間線量、それもガンマ線だけを測ったものだけで健康被害はない、としています。これは「空間線量詐欺」です。放射線管理は核種とベクレル数によって管理するべきです。「放射性同位元素等規制法」(旧 放射線障害防止法)では、アルファ線を出す核種が0.4ベクレル/cm2を超える恐れがあるところ、 アルファ線を出さない核種では4ベクレル/cm2を超える恐れがあるところを放射線管理区域(法令上では「管理区域」という)として、一般人の立ち入り禁止、または、土壌などの汚染されたものの持ち出し禁止を決めています。これはベクレル/m2に換算すると、

アルファ線を出す核種が4000ベクレル/m2を超える恐れがあるところ

アルファ線を出さない核種では40,000ベクレル/m2を超える恐れがあるところ

です。避難指示解除になったところが、空間線量で0.16マイクロシーベルト/時は確実に アルファ線を出さない核種(セシウム134,137やストロンチウム90など)では40,000ベクレル/m2を超えます。アルファ線核種はガンマ線だけを測っている空間線量ではわかりません。別の測定しなければならないのにもかかわらず、公表されていません。

 上記記事にもあるように、昨年の大熊町、来月3月4日の双葉町の避難指示解除に合わせ、原発の目の前を通っている常磐線は全面開通します。常磐線は仙台駅から日暮里・上野駅まで、一部列車は東京・品川駅まで運転します。つまり、来月2020年3月末からは常磐線の車体についたプルトニウムの粒子が、北は仙台、南は東京・品川まで運ばれてくる、ということです。

 何が何でも東京でパラリンピック、オリンピックを開催したいがため、そして、日本は原発事故があったけれども住民が原発周辺に帰ることができたと宣伝し、日本の放射能汚染がもうなくなかったかのようなイメージを作るためにだけ、住民の避難指示解除が行われています。東京パラリンピック、オリンピックはアスリートのためではなく、日本が「放射能清浄国」であることの証明のためにだけ開かれるのです。

 住民の健康被害は度外視されて。

 これのどこが復興なのでしょうか?『美味しんぼ』原作者の雁屋哲氏は講演でこう語っています。「復興、復興と言うが、福島県の復興ではないか。県や自治体、国の復興の前に、人間の復興があるべきだ」と。

 新型コロナウィルス感染のニュースに隠れて、第37回福島県県民健康調査検討委員会が2月13日に開かれていました。そこで恐るべき結果が公表されていたにもかかわらず、朝日、読売、毎日、東京新聞は一切報道していません。福島県は原発事故当時0~18歳だった人をリスクグループとして2年置きに甲状腺の超音波検査を全員対象に行ってきました。原発事故以降に産まれた人も対象としています。ところが2017年度より、20歳以上の年代では「節目検査」と称して20歳の次は25歳、次は30歳と5年置きの検査にしてしまいました。2017年は原発事故当時14歳(中学2年生、3年生)だったもっともリスクの高い人たちがちょうど20歳になった年です。先行検査(2011年度、2012年度、2013年度)の福島県の甲状腺検査で見つかった116人の甲状腺がんの患者の平均年齢は14.9歳。この方々が20歳になったとたん、検査が2年おきから5年おきになるのです。この方々が2017年や2018年に検査を受けた後は、次に受ける検査は2022年や2023年になります。つまり、東京パラリンピック、オリンピックが終わった後にしか患者数が分からない、という仕掛け。

 これを福島県は「受診者に対して受診時期を分かりやすくするため」と称していますが、2年起きにやった方が忘れないのは当たり前です。東京パラリンピック、オリンピック前に福島の小児甲状腺がんが爆発的に増える、という事態が発覚しないように作り出したトリックです。

第31回福島県県民健康調査 甲状腺検査 本格検査(検査3回目)実施状況 2018年6月18日

 以下にも掲載したように、この25歳時の甲状腺検診、2017年度、2018年度がもうすぎているのに、対象者のうちたった9.6%しか受診していません。それなのに、4人もの甲状腺がんの患者が見つかっています。1/10の検診で4人見つかるということは全員が検査を受けたら40人の甲状腺がんの患者が見つかる、ということではないでしょうか。これは対象者が4万4542人ですから、10万人あたりに換算すると、89人の甲状腺がん/10万人あたり、という異常な発生率になります。ただちに、福島県のみならず、東日本全域の20歳以上の甲状腺超音波検診、異常があった方の穿刺細胞診を行うべきです。

 新型コロナウィルス感染者のPCR検査でも同じことが起きています。韓国は2月21日の感染者は204人から2月22日433人と倍増しました。しかし、韓国はPCR検査を毎日2000人規模を行っています。一方、日本では。厚生労働省がまとめた集計では 2月19日はたった9人、2月19日にも136人、2月20日は80人だけです。 「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」2月18日版、2月19日版、2月20日、2月21日版より 。「湖北省しばり」「浙江省しばり」で、中国の湖北省や浙江省からの中国人や帰国者などとの濃厚接触がない場合は、保健所、つまり厚生労働省がPCR検査を拒否しているのです。

 日本の感染者数769人(2020年2月22日23時現在)は日本政府側が桜を見る会と同様、意図的に少なくみせている数字であり、実態はこの10倍以上かもしれません。肺炎症状のある方へのPCR検査等を一切の縛りなく行うべきです。

新型コロナウィルス 日本が実施しているPCR検査数 2020年2月19日~2月21日

 この韓国と日本との感染対策の差は何でしょうか?日本は感染拡大を最小限留めるというよりも、日本への来日、貿易への「風評被害」を広げないために、患者数を少なく見せる、つまり、患者がいるかどうか、たくさん調べない、ということに尽きます。

 これは、福島県が福島の子どもたち、青年に対して行っている甲状腺検査と同じ対応です。官僚のメンツ、利権が「風評被害を広げない」という錦の御旗のもとに優先され、がんや感染拡大の実数が隠される、ということが進行しています。

日 時 2月23日(日) 13:30〜16:30
場 所 内部被ばくを考える市民研究会ツイキャス
http://twitcasting.tv/naibuhibakushim/show/
参加費 無料

<テーマ>

1.東京電力、福島第一原発の「処理水」の海洋放出をめぐって

トリチウム水、薄めて流せば安全か?  報告:川根 眞也

風評の深層 第1部 トリチウムとは 福島民友 2020年2月13日 1面

2.福島県甲状腺25歳時検診、受診率9.6%で4人の甲状腺がん。ただちに20歳以上のリスクグループの全員検査をするべきだ。 報告:川根 眞也

3.内部被ばくに関する最新情報 報告:川根 眞也

新型コロナウィルス感染の真実とWHO、厚生労働省、国立国際医療研究センター

当院での新型コロナウィルス感染症患者に対する診療時の個人防護具について 国立国際医療研究センター 2020年2月5日
医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド 第1版 2020年2月13日 日本環境感染学会 感染対策

食品中の放射性物質の検査結果の公表を中止したのか?厚生労働省

食品中の放射性物質の検査結果 月別検査結果 2020年2月18日現在

※ 諸事情によりプログラムが変更になる場合があります。

※ 当日はツイキャス中継のみを行います。

http://twitcasting.tv/naibuhibakushim/show/ こちらでは、生中継の他、過去の動画を見ることも出来ます。 聞き逃した情報などもチェックしてみてください。 それでは、沢山のご参加をお待ちしています。  

【お問い合わせ】entry.naibu@gmail.com 内部被ばくを考える市民研究会事務局

内部被ばくを考える市民研究会

経済産業省、福島第一汚染水の海洋放出を世界各国に説明。「トリチウムは弱いベータ線しか出さないから安全」は本当か?

 2020年1月31日、経済産業省の福島第一原発の放射能汚染水に関する小委員会が開かれました。「 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」と言います。

第17回 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 資料

 この小委員会で「 海に放出する方法と蒸発させて大気中に放出する方法が現実的な選択肢だ」と基本的に了承されました。[記事1]

 2020年2月6日、菅官房長官は午後の記者会見で「委員会の報告を受けて、各国の在京大使関係者に内容の説明を行った。特定の発言を紹介するのは控えるが、全体として、批判や抗議などはなかったという報告を受けている」と述べました。 [記事2]

[解説]

  まず、この東京電力、福島第一原発の汚染水の海洋放出の問題は、1号機、2号機、3号機の核燃料デブリを冷やしたために出来ている汚染水です。当然、トリチウムだけでなく、プルトニウム239他、ウラン、ストロンチウム90を含みます。その汚染水はALPS(多核種除去設備)で除去し、基準値以下にしてから放出するというプランです。トリチウムだけは取り除けないので、水で薄めて放出しようという経済産業省の計画です。

ここに5つの落とし穴があります。

(1)トリチウムだけが取り除けていないのではなく、ALPS(多核種除去設備)がうまく機能しなかったときのストロンチウム90などの核種が「処理水」に含まれている、という問題

(2)トチリウムは宇宙線によっても地球上にもできているから、という議論。現在のトリチウムは、米ソの大気圏内核実験のときに放出されたトリチウムが多く占めます。自然界で宇宙線によって作られるトリチウムの量は以下の図のようにたかだか70PBq(ペタベクレル)に過ぎません。トリチウムの半減期は長く12.3年もあるものですから、宇宙線によって作られたトリチウムはそのまましばらく残ります。ある程度積み重なってくると、崩壊して減る分と宇宙線によって新しく作られる部分とが重なり、だいたい1000~1300PBq(ペタベクレル)で平衡状態になります。

PBq(ペタベクレル)という単位は簡単で、1×10の15乗ベクレル、ということ。国際SI単位系では、Oが3つずつ、単位の接頭辞が増えていきます。1000がk(キロ)、1000000がM(メガ)、1000000000がG(ギガ)、1000000000000がT(テラ)、1000000000000000がP(ペタ)。日本の場合はが0が4つずつ増えていき、万、億、兆、京となります。
T(テラ)と兆が0が12個でちょうど同じ。1P(ペタ)は0.1京になります。

米ソの大気圏内核実験で放出されたトリチウムの量は何と180,000PBq~240,000PBq。国際放射線防護委員会(ICRP)などは、トリチウムの人体への影響を過小評価していますが、これは米ソの核実験により、世界中にがんが増えたことを隠ぺいするための理論に過ぎません。

(3)世界でもトリチウム汚染水は水で薄めて海洋に流したり、水蒸気として空気中の放出しているから、日本がやってもいいのだ、という理屈。

確かに、国際放射線防護委員会(ICRP)がトリチウムの人体への評価をし、その勧告にもとづき各国の原子力機関は放射性同位体の放出基準を決めています。確かにその通りです。

何と、イギリスのセラフィールド核燃料再処理工場での年間トリチウム放出量は1.4PBqでした(2010年)。フランスのラ・アーグ核燃料再処理工場での年間トリチウム放出量は10PBqもありました(2010年)この10PBqという数字は米ソが1945年~1963年に地球上にばら撒いたトリチウムの総量の2万4000分の1をたった一カ国フランスで海に放出した、とうことです。また、自然界で宇宙線によってできる全地球規模のトリチウムの1年間分70PBqの実に7分の1をフランス1カ国に集中して出した、ということです。

結果は何か?セラフィールド核燃料再処理工場やラ・アーグ核燃料再処理工場周辺のでの白血病の増加や小児がんの増加です。「他の国がやっているからいい」のではなく、「他の国が国際基準通りにトチリウムの海洋放出したら、何が起きたのか」を知るべきです。

(4)トリチウムの出す放射線のエネルギーは非常に弱いから安全、という安全神話。日本アイソトープ協会に関わっているある教授も同様に「 トリチウムの出す放射線のエネルギーは非常に弱いから安全 」と説明しています。しかし、逆です。弱いエネルギーしか持たないから、トリチウムはDNAをずたずたに引き裂きます。カール・Z・モーガンという、保健物理学者が「原子力開発の光と影」(昭和堂、2003年)にこう書いています。彼はマンハッタン計画の頃からプルトニウム生産の作業員の安全管理のために、「許容線量」を決めるために研究し続けてきた人物です。彼はトリチウムの危険性についてこう書いています。「トリチウムをテロリストだと考えてみましょう。テロリストが自動車で時速128kmでマシンガンを打ちながら通ったとします。あなたの家に弾丸は10発以上当たらないでしょう。しかし、このテロリストが時速8kmで走った場合、あなたの家には何1000発もの弾丸が当たるでしょう。」と(編集者が加筆修正引用,pp.154)。
 トリチウム出すベータ線のエネルギーは18.6keV(キロエレクトロンボルト,キロ電子ボルト)です。ベータ線を出す放射性同位体の中でもっとも弱いものです。そのためにトリチウムの方が他のベータ線核種よりも多く、DNAの近くでフリーラジカルを多く作るのです。フリーラジカルはDNAを切断します。欠失という安定型遺伝子異常を作り出された場合、それはがん細胞になることがあります。従って、トリチウムはベータ線を出す核種の中でももっとも危険なのです。アルファ線の破壊力にも比類すべき破壊力があります。
 ですから「トリチウムの出すベータ線のエネルギーは弱いから安全」という専門家は、放射線生物学を深く勉強していないか、市民を騙すためのわざとウソを語っているか、のどちらかです。

 以下の画像は、編集者がキャプションを入れたものです。汚染水問題を考えるときに非常に大事です。是非、みなさんで共有して下さい。

トチリウムの環境中イベントリー 山西敏彦 2013年

(5)東京電力福島第一原発の汚染水中のトリチウムの量は、すでに環境中に放出した分が0.5PBq、現在ある汚染水のトリチウムの量が0.8PBqです。合計1.4PBq。つまり、イギリスのセラフィールド核燃料再処理工場と同じです。しかし、核燃料デブリはまだくすぶり続けています。10年間水で冷やし続けたら、0.8×10年=8PBqになるかもしれません。20年ならば16PBq。30年ならば24PBq。すなわち、現時点でのトリチウムの量だけで議論するのは間違いです。今後、何年間水で冷やし続けるのか、それでどれくらいのトリチウムの量が新たに発生するのか、という議論は抜け落ちています。と言うかあえて欠落した議論をしています。まさにダチョウの知恵です。
 しかし、経済産業省やアメリカを筆頭とするIAEA(国際原子力機関)の狙いはまさにそれです。福島第一で原発事故の汚染水を海洋放出することを先例にしたいのです。次に韓国か、中国か、フランスか、あるいはまた日本でチェルノブイリ事故、福島事故を超える、原発事故が起きたときに、放射能汚染水を海洋放出できるようにする、のが狙いであると思います。
 問題は日本国内の問題ではなく、世界の原子力産業の生き残りをかけた論争です。

[記事1]

福島第一原発 トリチウム含む水の処分 ”海か大気中が現実的” 2020年1月31日 15時51分 NHK NEWS WEB

福島第一原発汚染水タンク 福島第一原発 トリチウム含む水の処分 ”海か大気中が現実的” 2020年1月31日 15時51分 NHK NEWS WEB

福島第一原子力発電所にたまり続けるトリチウムなどを含む水の処分方法について、国の小委員会は、基準以下に薄めるなどして海か大気中に放出する方法が現実的で、このうち海のほうが確実に放出を実施できるとする案をおおむね了承しました。

経済産業省小委員会 福島第一原発 トリチウム含む水の処分 ”海か大気中が現実的” 2020年1月31日 15時51分 NHK NEWS WEB

福島第一原発では、汚染水を処理したあとのトリチウムなどの放射性物質を含んだ水が毎日発生していて、現在1000近くのタンクに約120万トンが保管されています。

この水の処分方法について、31日に開かれた有識者でつくる経済産業省の小委員会では、基準を下回る形で海に放出する方法と蒸発させて大気中に放出する方法が前例もあって、環境や健康への影響もほとんどなく現実的な選択肢だとする案が示されました。

2つの方法のうち海洋放出は、設備が簡易で放出後の放射性物質の拡散の監視もしやすく実施が確実とした一方、風評被害の社会的影響は「特に大きい」と分析しました。

これについて小委員会では大きな反論は出ずおおむね了承され、今後文言の修正などを行って、報告書としてまとめられる見通しです。

国は今後、地元などの関係者からも意見を聞いたうえで政府が最終決定をする方針ですが、まだ地元意見をどう聞くかは決まっておらず、今後の対応が注目されます。

委員長「復興のためには廃炉進めることが重要」

報告書の案がおおむね了承されたことを受けて、小委員会の委員長を務める名古屋学芸大学の山本一良副学長は「福島の復興と廃炉を両立させていくことを念頭に、処分に伴う風評など社会的な影響を考慮して検討を行ってきた。福島の復興のためには廃炉を進めていくことが重要で、原発の敷地の制約から、本丸である燃料デブリの取り出しが遅れるようなことがあってはならない」と述べました。

一方で、廃炉を急ぐことで風評を拡大させてもいけないとし「今後政府には提言を踏まえて、地元をはじめとした関係者の意見を伺い、復興と廃炉を両立させるための最適点を見いだし、方針を示してほしい」と述べました。

これまでの検討経緯と今後

福島第一原発の汚染水を処理したあとには、除去しきれないトリチウムなどの放射性物質を含んだ水が残り、これをどう処分するかについて国は検討を続けています。

まず、専門家チームによる処分方法の技術的な検討を3年間行ったあと、社会学者や風評の専門家などを交えた経済産業省の小委員会が総合的な検討を3年かけて行い、おおむね6つの方法について議論を交わしてきました。

そして、このほど、基準を下回る形で海に放出する方法と蒸発させて大気中に放出する方法の2つが前例もあり現実的な選択肢だとする案でおおむね了承しました。

今後、経済産業省は、地元自治体や農林水産業者をはじめ、幅広い関係者から意見を聞く方針でそのうえで、政府が最終的に処分方法を決定することになります。

しかし、現段階で、国はどんな形で、誰の意見を集めるか、具体的なことは示しておらず、どれだけの時間がかかるかも見通せていない状況です。

小委員会の委員のひとり、福島大学の小山良太教授は「地元の漁業者や観光、飲食など、どのタイミングでどんな処分をするか非常に関心が高く、事業自体が成り立つかどうかにも関わってくる。水産物に関しては流通や小売り、諸外国も関心を持っている。国は説明をするだけでなく、関係者が何を懸念しているのか、対話をする場を持つことが重要だ」と指摘しています。

海に放出する方法と大気中に放出する方法の比較

福島第一原発にたまり続けるトリチウムなどを含む水の処分方法をめぐって、国の小委員会で示された報告書の案は、基準を下回る形で海に放出する方法と加熱して蒸発させ大気中に放出する方法が前例もあり、現実的な選択肢だとしたうえで、メリットとデメリットを比較しています。

このうち、大気中に放出する案は1000度ほどの高温で蒸発させ排気筒から大気中に放出するものです。

41年前にメルトダウンを起こしたアメリカ・スリーマイル島の原子力発電所で実績があります。

一方で、蒸発させたあとに、放射性物質を含んだ塩などが放射性廃棄物として残るほか大気中に放出した場合、拡散の状況を予測することが難しく、監視する上で課題があるとしています。

また、海洋放出はポンプで吸い上げた海水を混ぜて基準以下に薄め、海洋に放出するものです。

原子力発電所では日本を含め各国で基準を決めて海洋放出をしているなど実績があるほか、海中での拡散の状況を予測しやすいため監視が比較的容易だとしています。

そのうえで、報告書では、大気放出に比べて確実に実施できると結論づけています。

一方、風評を含めた社会的な影響の観点でも比較しています。

2つの方法について、国と東京電力が国連科学委員会のモデルに基づいて行った被ばく量の試算では一般の人が自然界でうける被ばく量と比較しても十分に小さいとの評価が出ています。

しかし、いずれも風評被害は起こるとしていて大気放出の場合、海洋放出よりも幅広い地域や産業が影響を受けるとしています。

海洋放出の場合はこれまで実施した公聴会などで出された一般の意見や海外の反応などを見ると、特に社会的な影響が大きくなると考えられると分析しています。

委員「消去法的判断」「地元への説明会は絶対」

国の小委員会の委員のひとり、東京大学の関谷直也准教授は、案について消去法的な判断だったとして「海か大気かといった環境への放出がやむを得ないというのは消去法的にはわかるが、社会的影響が大きいのは事実。どんな対策をどれだけ増やすか、具体的な議論は不十分だったと思う。地元が経済的な被害を我慢すればいいというのではなく、どんな時期、方法、そして対策がいいのか、合意を得られるよう丁寧に議論を続ける必要がある」と話していました。

また委員の「日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会」の辰巳菊子常任顧問は、今後について「地元の福島に対しての説明会は絶対にやるべき。また、風評被害を起こすのは消費者でもあるので、国民に対しても取りまとめの内容について説明してほしい」と話しています。

漁業者「風評払拭の取り組み 台なしになるのでは」

原発事故による風評を払拭(ふっしょく)しようと取り組んできた福島県の漁業者は、トリチウムを含む水がもし福島の海に放出された場合、これまでの取り組みが台なしになるのではと懸念しています。

福島県沖では原発事故の次の年から試験的な漁が続けられていて、水揚げのたびに放射性物質の検査を行い、安全性を確認したうえで出荷しています。

漁業者などは風評の払拭に向けて各地で魚の安全性をPRするイベントを開いたり、首都圏のスーパーに県産の魚の常設コーナーを設けてもらったりする取り組みを続けています。

相馬市の漁業者で底引き網漁船の団体の会長も務める高橋通さん(64)は、もし福島県でトリチウムを含む水が海に放出されれば、これまでの取り組みが台なしになってしまうのではと懸念しています。

そのうえで「トリチウムを含む水の処分は本当に安全なのか、国にわかりやすい形で証明してもらわなければ消費者は納得しないと思う。消費者に理解されてからでなければ、またも風評被害を受けてしまう可能性が高い。風評被害は漁業者にとって死活問題なので、しっかり議論を重ねたうえで決定してほしい」と話していました。

観光旅館組合「福島県以外で処分をというのが本音」

国の小委員会がトリチウムを含む水を海や大気中に放出するという案をおおむね了承したことについて、福島県の沿岸部で観光業に携わる人からは、客足が遠のくことを懸念し、「福島県以外で処分してほしい」などの声が上がっています。

福島県の沿岸部では、19あった海水浴場が震災と原発事故の影響で開けなくなりましたが、去年は7か所まで再開し、海の観光資源が徐々に回復してきています。

しかし、海水浴場の利用客は、いずれも震災前との比較で、▼いわき市で13%、▼相馬市と新地町は36%、▼南相馬市は45%にとどまり、大幅に少ない状況です。

相馬市の漁港近くの旅館街では、震災前、潮干狩りや海水浴での宿泊が多かったということですが、現在は、復興関係の仕事で来た作業員や部活動の合宿で訪れる高校生などが中心だということです。

相馬市松川浦観光旅館組合の管野正三組合長は、トリチウムを含む水が福島で処分された場合、再び悪いイメージが広がり、客足が遠のくことを懸念しています。

そのうえで、「福島県は震災から9年がたち、復興に向けて頑張っているところなのだから東京湾など県外で処分してほしいというのが本音です」と話していました。

また、政府が、今後、地元での意見を聞きながら処分方法を決めていくとしていることについて、「福島で処分するという結論ありきになるのではという懸念がある。そうではなく、福島県の意見がしっかり反映されるような話し合いにしてもらうことを望んでいます」と話していました。

いわき市長「市民や経済活動に大きな影響と認識」

福島県いわき市の清水敏男市長は「市としては、漁業関係者をはじめとした市民への影響はもとより、観光などの経済活動にも大きな影響を与える問題であると認識しております」とするコメントを発表しました。

そのうえで「国においては、被災地の復興状況や風評などの社会的な影響を十分に考慮した検討を進めるとともに、処分方法とその安全性、具体的な風評対策などについて、市民や関係者に丁寧に説明し、理解を得たうえで決定するよう、引き続き強く求めていきたい」としています。

地元は「県以外で処分を」

国の小委員会が、トリチウムを含む水を海や大気中に放出するという案を、おおむね了承したことについて、福島県の沿岸部で観光業に携わる人からは、客足が遠のくことを懸念し「福島県以外で処分してほしい」などの声が上がっています。

福島県の沿岸部では、19あった海水浴場が震災と原発事故の影響で開けなくなりましたが、去年は7か所まで再開し、海の観光資源が徐々に回復してきています。

しかし海水浴場の利用客は、いずれも震災前との比較で、いわき市で13%、相馬市と新地町は36%、南相馬市は45%にとどまり、大幅に少ない状況です。

相馬市の漁港近くの旅館街では震災前、潮干狩りや海水浴での宿泊が多かったということですが、現在は復興関係の仕事で来た作業員や部活動の合宿で訪れる高校生などが中心だということです。

相馬市松川浦観光旅館組合の、管野正三組合長は(59)トリチウムを含む水が福島で処分された場合、再び悪いイメージが広がり、客足が遠のくことを懸念しています。

そのうえで「福島県は震災から9年がたち、復興に向けて頑張っているところなのだから、東京湾など県外で処分してほしいというのが本音です」と話していました。

また、政府が今後、地元での意見を聞きながら処分方法を決めていくとしていることについて「福島で処分するという結論ありきになるのではという懸念がある。そうではなく、福島県の意見がしっかり反映されるような話し合いにしてもらうことを望んでいます」と話していました。

[記事2]

トリチウム含む水の処分案 “各国大使館から批判出ず” 2020年2月6日 19時46分 NHK NEWS WEB

福島第一原発の汚染水タンク トリチウム含む水の処分案 “各国大使館から批判出ず” 2020年2月6日 19時46分 NHK NEWS WEB

福島第一原子力発電所に、たまり続けるトリチウムなどを含む水の処分について、菅官房長官は国の小委員会がおおむね了承した、海か大気中への放出が現実的だとする案を、各国の大使館関係者に説明し、全体として批判などはなかったと報告を受けたと述べました。

福島第一原子力発電所の汚染水を処理したあとに残る、トリチウムなどの放射性物質を含んだ水の処分方法について、経済産業省の小委員会は先月31日、基準を下回る形で海に放出する方法と、蒸発させて大気中に放出する方法が環境や健康への影響もほとんどなく、現実的などとする案をおおむね了承しました。

菅義偉官房長官 トリチウム含む水の処分案 “各国大使館から批判出ず” 2020年2月6日 19時46分 NHK NEWS WEB

これについて、菅官房長官は午後の記者会見で「委員会の報告を受けて、各国の在京大使関係者に内容の説明を行った。特定の発言を紹介するのは控えるが、全体として、批判や抗議などはなかったという報告を受けている」と述べました。

東京電力、福島第一原発1号機の格納容器穴あけ時に大量の放射能を放出、作業を中断。2020年1月30日福島中央テレビ

2020年1月29日、5:00くらいから福島県いわき市中岡第二公園ほかで、空間線量が急上昇しました。

「ロボットを炉内に投入するための、(1号機建屋の格納容器の内側と外側に)穴あけ作業が進められていたが、放射性物質のダスト濃度が上昇するトラブルがあり、東京電力が、作業の見直しを進めていた。」と。2020年1月30日、福島中央テレビ。[記事1]

2018年4月16日2号機の建家の壁に穴を開けた時と同じ、放射能の大量放出。

「使用済み燃料取り出しへ 壁の穴開け開始 福島第一原発2号機 NHK NEWS WEB 2018年5月28日 18時11分」
http://www.radiationexposuresociety.com/archives/8454

福島民報の記事を読むと「直径約21センチの穴の四割程度を十日間ほどかけて開け、ダスト飛散を抑える作業方法を確立するためのデータを取得する」とあります。[記事2]つまり、放射能を撒き散らさないようにして穴を開けるのに失敗した、ということです。

 やはり、福島県他のモニタリングポストは必要です。くすぶり続ける核燃料デブリは以前として「死の灰」を出し続けています。廃炉作業はまだまだ続きます。環境中の放射能をまき散らさないことが作業の基本であるべきです。監視機構がなければ管理されない放射能の放出が大量に起きるでしょう。私たちも監視を続けていくべきです。

[記事1]
第一原発一号機のロボット内部調査を延期
2020年1月30日 18:53 福島中央テレビ


写真1:第一原発一号機のロボット内部調査を延期 2020年1月30日 18:53 福島中央テレビ

 今年度に予定していた、福島第一原発1号機のロボットによる内部調査について東京電力は、2020年度以降に延期することにした。
福島第一原発1号機について、東京電力は今年度、ロボットを使ったものとしては、3回目となる内部調査を予定していた。
 ロボットを炉内に投入するための、穴あけ作業が進められていたが、放射性物質のダスト濃度が上昇するトラブルがあり、東京電力が、作業の見直しを進めていた。
その結果、今後はダストの飛散を抑えながら、数回に分けて、穴あけを進めることになり、ロボットによる内部調査も来年度以降に、延期されることになった。

写真2: 福島県いわき市中岡台第二公園 空間線量測定結果 一週間分 2020年1月30日 9:11am現在 1月29日5:00amに異常なピークがある
写真2: 福島県いわき市中岡台第二公園 空間線量測定結果 一週間分 2020年1月30日 9:11am現在 1月29日5:00amに異常なピークがある 最大目盛りを0.1マイクロシーベルト/時にしたグラフ

[記事2]

3月までの着手困難 福島第一原発1号機内部調査
2020年1月15日 8:23 福島民報

 東京電力福島第一原発1号機からの溶融核燃料(デブリ)取り出しに向けた重要作業となる原子炉格納容器の内部調査は、東電が計画していた二〇一九年度内に着手できず、開始が二〇二〇(令和二)年度以降にずれ込む見通しとなった。調査は格納容器底部にある堆積物を採取して成分や形状などのデータを得るのが目的だが、ロボット投入に向けた準備作業を三月までに終えるのが困難になったとみられる。

 東電の計画では、原子炉格納容器の外側と内側の扉に研磨剤を混ぜた高圧水を当て、穴を三カ所ずつ開ける。外側扉の三カ所の切削を終え、2019年6月に内側扉の一カ所目の穴開けに取り掛かった際、放射性物質を含むダストの濃度が一時的に上昇し、それ以降の作業工程の大半を中断していた。ダスト濃度測定などの準備が整ったとして、東電は2020年1月14日、穴を開ける作業を一部再開した。

 今回の作業では直径約21センチの穴の四割程度を十日間ほどかけて開け、ダスト飛散を抑える作業方法を確立するためのデータを取得する

 内部調査に移るためには今後、残る部分の切削と、あと二カ所の穴開けが必要になる。さらに、ロボットを格納容器内に投入するための進入路の構築、監視用カメラやダスト測定器の設置、遠隔操作するロボットの動作確認などの準備作業が控えており、投入までには少なくとも数カ月を要するとみられる。

 1号機の内部調査には潜水機能付きボート型ロボットを投入し、汚染水の水面付近を移動させながらカメラで全方向を撮影して格納容器内部の全体像の把握を目指す。水中にある堆積物の立体的な形状や厚さを測定するほか、少量を試料として採取する。燃料由来の成分が含まれているかどうかなどを詳細に分析し、将来のデブリ取り出しに生かす。

 1号機の内部調査を、東電は当初、二〇一九年度前半の着手を計画していたが、ダスト飛散防止対策などのため二〇一九年度後半に延期するとしていた。

[写真4]福島民報

福島甲状腺がん 背信の果て(1)(上) 線量測定わずか1080人   2019年1月21日 東京新聞 朝刊28面

 東京電力福島第一原発事故後、福島県は子どもの甲状腺がんを調べる検査を始めた。対象者は約四十万人。通常より多く見つかり、疑いを含め二百六人に上る。国や県は、がんの原因となり得る被ばくの線量が少ないことを主な理由にして事故の影響を否定する。しかし国が被ばく線量を測った子どもは千八十人のみ。今回判明した「一〇〇ミリシーベルトの少女」は漏れた公算が大きい。被害の全体像から目を背けた裏に何があったのか。情報開示請求で入手した文書で「背信」の数々を明らかにする。(榊原崇仁)

 「被害を隠したいのバレバレ」

 チェルノブイリ 30万人超調査

 「一〇〇ミリシーベルトの少女」が福島県双葉町にいたとされる事故発生時、同県中通り地方で暮らす中学三年生だった女性。大学進学後、甲状腺がんが見つかった。二十代の今、「私の家系で甲状腺がんになった人はいない。被ばく以外に原因が考えられない」と憤る。

 甲状腺は新陳代謝に関わるホルモンを分泌する器官。事故で放出された放射性ヨウ素は呼吸などで体に入ると甲状腺に集まり、がんの原因となる内部被ばくをもたらす。一九八六年のチェルノブイリ原発事故で、特に子どもの甲状腺がんが多発した原因とされる。がんの検査を行う県の資料にも、同事故で「一〇〇ミリシーベルト以上でがん発症」とある。

 二〇一一年三月、原発が次々と爆発し、大量の放射性物質が放出された。両親は「家の中にいて」と娘の身を案じた。それでも、進学する高校の手続きなどで外に出て、雨にも濡(ぬ)れた。

 四年後、大学生の時に福島県の超音波検査を受けた。その後、県立医科大に呼ばれ、詳しい検査の後、「甲状腺がんです」と宣告を受けた。「私は覚悟してたけど、母の泣きそうな顔を見るとつらかった」

 医大の患者対応に信頼が持てず、手術は別の病院で受けた。転移はなく、今は東京都内の会社で働く。時々、再発しないか不安になる。そしてもう一つ、消えない思いがある。「事故のせいでは」

 国、県はその思いを認めない。被災した人たちはそれほど被ばくしていないから、関連性は「考えにくい」という理屈だ。

 根拠の一つとなる甲状腺の被ばく測定は、国が一一年三月下旬に行った。対象は、避難や屋内退避の指示が出なかった原発から三十キロ以上離れた地域。福島県いわき市と川俣町、飯舘村で十五歳以下の千八十人を調べて打ち切った。この結果などを基に「線量が少ない」としている。

 だが、この数はチェルノブイリ事故の被災三カ国で測定した計三十万人以上と比べて少なすぎる。福島県が甲状腺がんの検査対象とした事故当時十八歳以下の県民約四十万人に占める割合も0・3%でしかない。

 実は、事故時、すでにあった国の指針類や福島県のマニュアルでは、放射性ヨウ素による内部被ばくを想定し、対応を示していた。チェルノブイリ事故後、子どもの甲状腺がんが多発したことも含め、国は当然、甲状腺被ばくの危うさを知っていた。それなのに、国は大多数の被災者の被ばく線量を測定しなかった。放射性ヨウ素の半減期は八日と短く、二、三カ月で消えてしまうため、今から測定し直すこともできない。

 女性も測定を受けておらず、憤りを隠さない。「もうバレバレですよね。被害を隠したいっていう意図が。世界的に起きたことがないような事故だから、いろんなデータを取らないと何も分からないのに。結局、補償を払いたくないんでしょうね」

線量測定わずか1080人   2019年1月21日 東京新聞 朝刊28面

福島県民はモルモットじゃない。ただちに18歳以上の甲状腺検査を行うべきだ。25歳時検診は甲状腺がん2人/受診者3161人の異常な発症率。

 昨日、2020年1月20日福島県県民健康調査検討委員会の第14回甲状腺評価部会が開かれました。今日2020年1月21日地元紙、福島民友、福島民報は2面で報道しました。しかし、全国紙、朝日、毎日、読売は1月21日朝刊全国版では一切、報道しませんでした。東京新聞も報道しませんでした。朝日、毎日、読売は何と、福島県版だけで報道しました。巻末に5紙の記事を掲載しました。

記事1  全国がん登録活用へ 県部会 甲状腺検査の受診率低下 2020年1月20日 福島民友 2面

記事2 がん登録情報活用 県民健康調査検討委 甲状腺検査評価部会 受診率低下で 2020年1月20日 福島民報 2面

記事3 データ解析向上へ がん患者DBと連携 甲状腺検査 2020年1月21日 読売新聞 福島県版29面

記事4 甲状腺検査の受診率が低下 県評価部会 2020年1月21日 朝日新聞 福島県版17面

記事5 甲状腺評価部会 新体制で初開催 2020年1月21日 毎日新聞 福島県版19面

 こうして、原発事故が引き起こした小児甲状腺がんの問題は、福島限定になり、日本の人々から忘れ去られていく効果を持っています。心配しているのは、福島県民だけ、という構図を作り出しているのは、大手新聞社です。

 市民メディアとして、our planet tvさんが甲状腺評価部会のライブ中継をしてくれています。our planet tvさん、ありがとうございます。

【ライブ配信】13:30〜甲状腺検査評価部会  our planet tv  2020年1月20日

 福島民友、福島民報の記事はどちらとも、前回第13回甲状腺評価部会が「2巡目検査について、現時点で甲状腺がんと放射線被ばくとの関連は認められないとの中間報告をまとめ、上部組織の県民健康調査検討委員会はこれを了承した」と無批判に報道しています。これは、2019年6月3日の第13回甲状腺評価部会で「 2巡目検査について、現時点で甲状腺がんと放射線被ばくとの関連は認められない 」との中間報告まとめを出したましたが、原案はまったく議論されないまま、一方的に了承されたものでした。県民健康調査検討委員会のまとめた甲状腺がんの患者数には、他に11人の患者が漏れていて、この11人のデータを無視した中間報告でした。

委員、直前まで知らされず~被曝否定の根拠データ our planet tv  2019年6月28日

 また、上部組織である県民健康調査検討委員会の第35回が2019年7月8日に開かれ、この中間報告が討議されました。その席上、中間報告が、 国連科学委員会(UNSCEAR)報告書の被ばく線量推計にまるごと依存して推論を立てていますが、この 国連科学委員会(UNSCEAR)報告書の被ばく線量推計 が不十分なのではないか、という指摘があり、この日7月8日には中間報告は了承されませんでした。しかし、星北斗座長預かり、という一方的なまとめを行って会は終了。そして、議論の経過が一切わからないまま、2019年7月末には福島県のホームページに「 部会まとめの報告を受け、所見に対して結論づけるのは早いのではないかとの意見もあったが、多くの委員の賛成のもと、検討委員会としては了承するものである」という一方的な「了承」という文書が掲載されました。

 「福島県の子どもたちの小児甲状腺がんの多発は原発事故とは無関係」と2019年6月7日朝日新聞論座でも多くの意見が掲載されました。 2019年6月29日 名郷直樹氏、 7月7日 菊池誠氏の記事と立て続けに論座に記事が載りました。

  国連科学委員会(UNSCEAR)はそもそも、科学者の集まりでも何でもなく、国家の代表者で構成されています。1956年第1回会議でアメリカ代表団を率いたのはシールズ・ウォーレンであり、彼は原爆開発のマンハッタン計画の中心人物であり、米国原子力委員会(AEC)元生物医学部長でした。プルトニウム人体実験の人体実験の関係者でもあります。他のメンバーのオースティン・ブルーズとメリル・アイゼンバットも すべて米国原子力委員会(AEC) のメンバーでした。アメリカを代表する遺伝学者ハーマン・マラーなど、遺伝学者は代表団から排除されました。 国連科学委員会(UNSCEAR) の各国の代表はみな原子力委員会関係のメンバーでした。1956年当時は、ソ連、チェコスロバキアの代表は核実験のフォールアウトによる人間への健康被害を訴え、核実験禁止を会議で主張していました。しかし、アメリカ、イギリス、カナダなどが反対し、核実験即時停止は少数意見として葬りさられました。日本の 国連科学委員会( UNSCEAR)の代表、都築正男、田島英三らも核実験の即時停止に反対しました。これが 国連科学委員会( UNSCEAR) の実態です。

 2013年 国連科学委員会( UNSCEAR) は福島でがんは増えない、という報告書を出しました。線量が低すぎる、というのです。被害の事実を見ず、「自分たちで作り上げた科学に基づくとがんは出ないはずだ」という議論をしています。

25歳時検診は甲状腺がん2人/受診者3161人の異常な発症率 資料

 新聞各紙は、福島県の甲状腺評価部会の発表をただ垂れ流しているだけです。しかし、事実はこうです。原発事故当時、もっともヨウ素131を始めさまざまな短寿命核種が空気の中を舞い散り、雨となって落ちてきた2011年3月16日、福島県は県立高校の合格発表を強行しました。良心的な教員たちは、外部被ばく・内部被ばくの影響を恐れ、合格発表の延期を求めましたが、無視されました。

 この日、中通りでも雨が降ったと言います。2019年1月21日の東京新聞の報道によれば、この時、中学3年生で高校の合格発表と手続きのため、1日外にいて雨にも打たれた女性が4年後甲状腺がんを発症しています。

福島甲状腺がん 背信の果て(1)(上) 線量測定わずか1080人   2019年1月21日 東京新聞 朝刊28面

 福島県民健康調査検討委員会では、福島県の小児甲状腺がんの発症のピークが14歳前後であり、チェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺がんの患者の6割が0~6歳であることを引き合いに出して、「チェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺がんの発症年齢と福島とは違う。だから、福島の小児甲状腺がんは原発事故の放射線の影響ではない」と主張してきました。しかし、この1巡目検査(先行検査と呼ばれています)の患者の平均年齢は14.9歳。原発事故当時、中学3年生だった子どもたちです。

先行検査で細胞診等で悪性ないし悪性疑いであった116人の年齢、性分布 2017年6月5日

 この原発事故当時、中学3年生だった世代がもっとも甲状腺がん発症のリスクがあるのではないでしょうか?チェルノブイリ原発事故の当時は、ソ連政府が原発事故があったことを隠し、市民は1週間たってもチェルノブイリで原発事故があったことを知りませんでした。首都ミンスクの医師でさえ、そう証言しています。小さな子どもたちも何も知らず外で遊び、牛乳を飲んでいました。しかし、日本では福島中央テレビが1号機の爆発を2011年3月12日同日、約1時間40分後には爆発の映像を報道しています。日本では、チェルノブイリ原発事故で小さな子どもが甲状腺がんに罹ったことを調べた保護者の方々は小さい子どもを外で遊ばせず、牛乳を飲ませなかったのではないでしょうか。一方、合格発表で外に出ていて、合格手続きで外に並んだ中学3年生は、無防備のまま、大量の内部被ばくをしたのではないでしょうか?

 また、木村真三氏は、第8回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 (2013年7月16日)で以下のように、中学生、高校生の部活動による内部被ばくの危険性を指摘しています。

意見
上記の福島県内の旧警戒区域等以外は、避難指示が出ておらず、指示系統の混乱から、小中学校以下の子ども達と異なり、長時間外活動(部活動)を続けてた高校生や18歳未満の建設作業員などへの状況調査を進める必要がある。

第8回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 (2013年7月16日) 木村真三氏提出資料より

 ですから、原発事故当時、中学3年生だったり、中学・高校生で部活動をやっていた世代を緊急に甲状腺検査を行う必要があります。原発事故から5年後には、福島県は、この原発事故当時中学3年生だった世代が20歳になろうとするときに、「対象者 が 20 歳を超えるまでは 2年ごと、それ以降は 25 歳、 30 歳等の 5年ごと の節目健診により 、長期にわたり 検査を実施 する」と「節目検査」の名称で検査を5年置きにしてしまいました。まさに、もっとも甲状腺がんのリスクが高い世代の検査間隔を2年置きから5年置きに引き伸ばしたのです。

 2020東京パラリンピック、オリンピック前に、福島の甲状腺がんの更なる多発を隠すための隠蔽工作と言えます。

 昨日2020年1月20日に行われた第14回 甲状腺評価部会では、初めてこの25歳時での「節目検査」の結果が公表されました。

資料3-2 県民健康調査「甲状腺検査【25歳時の節目の検査】」実施状況

 これによれば、25歳、26歳で甲状腺検査を受けたのは、対象者4万4542人のうちの7.1%、たった3161人です。しかし、この1次検査を受けた3161人から2人の甲状腺がんの患者が見つかっています。不思議なことに、この検査結果は2019年3月31日現在。なぜ、ほぼ1年前の結果しか公表しないのでしょうか?この結果、よく見ると、2cm以上の嚢胞があったり、5mm以上の結節があった105人が2次検査に回っていますが、うち83人しか2次検査を受けていません。2次検査で穿刺細胞診を受けなければ甲状腺がんかどうかは分かりません。22人はなぜ2次検査を受けていないのでしょうか?意図的、計画的に2次検査が遅らされているのではないか?と疑われます。この22人の2次検査結果が公表されるのは、 2020東京パラリンピック、オリンピック が終わった後なのでしょうか?

第14回県民健康調査検討委員会 甲状腺評価部会 県民健康調査「甲状腺検【25歳時の節目検査】」 2020年1月20日

 甲状腺がんを発症するのは10万人あたり2人か3人と言われます。それが全員検査することで数倍の割合で見つかることもある、と言われます(スクリーニング効果と呼ばれています)。かりに10倍見つかったとしても、10万人あたり20人か30人です。この「25歳の節目検査」での3161人あたり2人の発症割合は10万人あたりになおすと63人です。スクリーニング効果を主張する人々の想定の2~3倍の人数です。

 しかし、105人のうち22人も2次検査を終えていない、ということは、21%が2次検査を受けていないことになります。すなわち、1次検査は3161人受けていても、そのうち1次検査、2次検査を終了しているのは21%を除く79%になります。つまり、受診者は3161人の79%ということになります。3161人→2479人に。2479人あたり2人の甲状腺がんの患者、これを10万人あたりに直すと、80.6人になります。 スクリーニング効果を主張する人々の想定の2.6~4倍の人数です。 もはや、スクリーニング効果では説明がつきません。

 一刻の猶予もなりません。原発事故当時中学3年生だったり、中学・高校生だった世代の全員の甲状腺検査を実施するべきです。「節目検査」などという欺瞞工作は中止し、1年おきの検査にするべきです。

 原発事故の放射能誘発の小児甲状腺がんは、通常の大人の甲状腺がんとは異なり、悪性でリンパ節への転移が多く見られます。肺転移した場合に、命を失う危険性もあります。原発事故の放射線が原因かどうか、などという議論はやめて、多発している小児甲状腺がんの患者に向き合うべきです。また、甲状腺を摘出した場合に、その後の生活に様々な支障をきたします。生涯にわたる補償を国と東京電力は行うべきです。

 福島民友、福島民報新聞の記者の方々に訴えます。情報をただ流すのではなく、批判的に情報を検討して欲しい。チェルノブイリ原発事故後にいかに人々が苦しんでいるのかを、原発推進側の科学者の言葉ではなく、苦しんでいる市民の立場に立って奮闘している医師、ボランティアの方々の言葉から聞き取って欲しい。チェルノブイリ原発事故の被害は日本には正しく伝わっていません。東京新聞のように、放射線医学総合研究所に眠っているデータを情報公開請求で明らかにし、福島県民の立場に立った報道をして欲しい、です。

がん登録情報活用 県民健康調査検討委 甲状腺検査評価部会 受診率低下で 2020年1月20日 福島民報 2面
全国がん登録活用へ 県部会 甲状腺検査の受診率低下 2020年1月20日 福島民友 2面
甲状腺検査の受診率が低下 県評価部会 2020年1月21日 朝日新聞 福島県版17面
データ解析向上へ がん患者DBと連携 甲状腺検査 2020年1月21日 読売新聞 福島県版29面
甲状腺評価部会 新体制で初開催 2020年1月21日 毎日新聞 福島県版19面