感染症の基礎知識

感染症の水平感染には4つの場合がある。新型コロナウィルスについて、厚生労働省や世界保健機関(WHO)は「接触感染」と「飛沫感染」しか認めていない。

しかし、現地からの動画や医師たちの告発を読むと、「飛沫核感染」や「媒介物感染」も新型コロナウィルスは持っている可能性がある。

なぜ、武漢市の医師、少なくとも15人が感染者から感染したのか?専門医師たちが「接触感染」対策、「飛沫感染」対策をしていなかったわけはない。「飛沫核感染」があるのではないか?つまり、感染者の吐いた空気で感染したのではないか。

映画『アウト・ブレイク』でも描かれている。謎のウィルスに感染した患者が病院に担ぎ込まれるが、別室の別の病気の患者がウィルスに感染する。患者どうし、医師や看護師もウィルスを媒介していなかった。別室の患者どうしをつないでいたのは、換気口だった。2つの部屋は換気のダクトでつながっていて、空気中をウィルスが移動した、というストーリー。「飛沫核感染」とは、こういうこと。

N-95マスクは、0.3マイクロメートルの粒子を99.97%以上の捕集効率を持つもの。新型コロナウィルス陰性直径0.1マイクロメートル。新型コロナウィルスが飛沫核感染するのであれば、感染は防げない。

「空気感染」への対策は、密室の不特定多数の人がいる場所に10分以上いないこと。特に新幹線や飛行機での移動、観光バスなどが危険です。クルーズ船などはもってのほかです。

また、2020年2月1日に、中国広東省深圳市の医師たちが、新型コロナウィルスが「経口感染」した、と発表している。患者の便の中に活性ウイルスが存在する可能性が高いと指摘した。

つまり、新型コロナウィルスは「媒介物感染」もする。O157と同じ対策が必要だ。感染者が手で調理したなまものを食べることで感染する。ウイルスは感染力が非常に強く、10個以下のウイルスで感染が起こる場合もある。このため、患者の便中のウイルスがなんらかの形でほかの人の口に入って感染する。なまものは自分が調理したものしか食べない。食べ物は必ず十分加熱する。

「媒介物感染」への対策は、外食をしないこと。外食産業は一定、 O157への対策から殺菌対策は行われているものの、食中毒が多発した事態から時間が経っているのでゆるんでいます。また、スーパーで買った食材の包装紙にウィルスが付着し、家でその包装紙を素手で触ったものが食材につく場合があります。基本、食べ物は加熱をして菌やウィルスを殺して食べるようにしましょう。また、生の野菜を食べる場合でも念のため、さっと熱湯をかけるのがいいでしょう。

[記事1]
新型コロナウイルスに経口感染の可能性 深圳市の病院
2020年2月2日 17時24分 新華社通信
https://news.livedoor.com/article/detail/17756941/

新型コロナウイルスに経口感染の可能性 深圳市の病院

2020年2月2日 17時24分 新華社通信

中国で初めて撮影された新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真。(資料写真、北京=新華社配信)

【新華社深圳2月2日】中国広東省深圳市で新型コロナウイルス感染が確認された患者の収容治療を行っている深圳市第三人民医院は1日夜、記者会見を開き、一部患者の便のウイルスRNA検出検査が陽性だったと発表した。これにより、新型コロナウイルスには、便中のウイルスを経口摂取する「経口感染」の可能性があることが明らかになった。

 深圳市第三人民医院の劉映霞(りゅう・えいか)副院長は、同院肝臓病研究所で一部の新型コロナウイルス肺炎患者の便の検体が、検査で2019-nCoV核酸(新型コロナウイルス)の陽性を示したことにより、患者の便の中に活性ウイルスが存在する可能性が高いと指摘した。

 現在、同院の研究スタッフはさらにウイルスの分離研究を進めている。(記者/白瑜)

[参考1]
AMR臨床リファレンスセンター 感染症とは
http://amrcrc.ncgm.go.jp/

接触感染 AMR臨床リファレンスセンター 感染症とは
飛沫感染 AMR臨床リファレンスセンター 感染症とは
空気感染 AMR臨床リファレンスセンター 感染症とは
媒介物感染 AMR臨床リファレンスセンター 感染症とは

[参考2]
PRO SARAYA No.2 病原体に感染する経路
https://pro.saraya.com/kansen-yo…/column/child/nakano02.html

接触感染 AMR臨床リファレンスセンター 感染症とは
飛沫感染 PRO SARAYA No.2 病原体に感染する経路
空気感染 PRO SARAYA No.2 病原体に感染する経路
飛沫と飛沫核の違い PRO SARAYA No.2 病原体に感染する経路

内部被ばくのメカニズム 放射性物質はどこから体内に入るのか?

内部被ばくのメカニズム 放射性物質はどこから体内に入るのか?

[初掲載]2011年12月24日

[解説]

 日本で原発事故が起きた際、「チェルノブイリ原発事故の際は放射能汚染された食品の管理は行われなかった。ヨウ素131で汚染された牛乳を子どもたちが飲んで内部被ばくし、小児甲状腺がんを発症した。しかし、日本では、放射能汚染された食品の流通規制が行われた。だから、日本では小児甲状腺がんは起きない。」などと放射線の専門家は言いました。

 小さな子どもを持つ保護者は、子どもたちの牛乳の放射能汚染に関心を持ちました。

 2011年5月、福島、茨城、千葉在住の5人の母乳からヨウ素が、また、福島、茨城、東京在住の4人からセシウムが検出されたことが明らかになっています。(市民団体「母乳調査・母子支援ネットワーク」の調査)最高は千葉県の女性の母乳からヨウ素131が36.3ベクレル/Lも検出されています。(千葉県柏市の女性の母乳。採取日2011年3月29日)この母親は政府の規制を無視して、ヨウ素131で高濃度に汚染された牛乳を飲んだり、ほうれん草を食べたりしたのでしょうか?

<資料>母乳の放射能汚染に関する調査結果 ⺟乳調査・⺟⼦⽀援ネットワーク 2011年5⽉18⽇

 国立がん研究センター東病院が千葉県柏市にあり、ここでは敷地の屋外で空間線量をマイクロシーベルト/時およびcpmの単位で2011年3月15日から測定していました。最高値は2011年3月23日0.74マイクロシーベルト/時でした。同じ3月23日千葉県ちば野菊の里浄水場では水道水からヨウ素131が220ベクレル/kg検出されています。つまり、この日、大量のヨウ素131のプルームが千葉県柏市を襲ったのです。

<資料>水道水 ヨウ素131 食品別検出状況 平成23年(2011年)福島第一・第二原子力発電所事故について 原子力災害現地対策本部 2011年7月19日 20:00pm現在

 母乳から36.3ベクレル/Lものヨウ素131が出た女性は、空気から呼吸によって、また、皮膚から皮膚吸収によってヨウ素131を取り込んだ可能性が大です。放射線の専門家は飲食によるヨウ素131しか語りません。しかし、事実は、ヨウ素131とトリチウムは呼吸によって、また皮膚から吸収されやすいのです。

 内部被ばくのメカニズム 放射性物質はどこから体内に入るのか?を是非、お読みください。原発作業員は東京電力福島第一原発で廃炉作業を行う際に、全面マスクをつけ、皮膚を少しも出さないように防護服で身を包むのは、この呼吸と皮膚からの放射性物質からの吸収を避けるためだったのです。

2019年12月7日記

[記事]

内部被ばくのメカニズム 放射性物質はどこから体内に入るのか?

① 呼吸器から

 空気中に含まれている放射性物質は呼気から呼吸器系に入り込みます。空気中に存在している放射性物質の大部分は、空気中の霧やちりに付着しています。木枯らしが吹く季節には、土に落ちた放射性物質が土ぼこりに吸着して舞うことになります。べたべたしている花粉にも着いて、花粉とともに飛散し、呼吸器から入り込みます。

② 食べ物から

 水あるいは食べ物に入っている放射性物質が消化管に入ることを「経口摂取(けいこうせっしゅ)」といいます。放射性物質は小腸から吸収されてからだの中に入るこみます。吸収されなかったものは大便の中に排出されます。

③ 皮膚から

 トリチウムや放射性ヨウ素は皮膚の毛穴や汗の汗腺(かんせん)からからだの中に取り込まれます。これ以外の放射性物質がからだに入ることはまれ。しかし、皮膚に傷があると傷口から簡単にからだの中に入り込みます。

<各部分からの内部被ばくの詳しい説明>

① 呼吸器から

 空気中の放射性物質の大部分は空気中の霧やちりに付着しています。

 ちりの直径が大きい場合は鼻やのどまでしか入りません。

 呼吸器から排出されずに、それぞれの部位に沈着した放射性物質は少しずつ時間をかけて血液に溶けていきます。

 放射性物質は放射性壊変をしているので、沈着している部分に放射線を浴びせ続けていることになります。

②経口摂取(飲み物、食べ物から)

 口から入った固形状の食べ物は

  胃で1時間

  小腸で4時間

  大腸の上部で13時間

  大腸の下部で24時間

かけて進みます。

「50歳以上は放射性セシウムの影響はない」と力説する学者がいますが、これは大きな間違いで、小腸や大腸に炎症を引き起こし、また、がんを発症させる危険性があります。

 放射性ヨウ素や放射性セシウムは大変吸収されやすく、100%吸収されてしまいます。

 消化管から吸収されにくいのは、ウランやプルトニウムです。

③ 皮膚から

 トリチウム(三重水素)や放射性ヨウ素は皮膚の毛穴や汗腺(かんせん)からからだの中に取り込まれます。

 これ以外の放射性物質が皮膚からからだの中に取り込まれるのはまれです。

 しかし、皮膚に傷がある場合、特に刺し傷がある場合は、傷口から簡単にからだの中に取り込まれます。

 それが目に見えないほど小さな傷であっても取り込まれてしまいます。

 かすり傷の場合、60分後には50%吸収されることに注意が必要です。