内部被ばくを考える市民研究会 例会 2022年7月3日(日)13:30~15:30 ツィキャスのみ配信

※ 基本的に毎月日曜日に開催しています。以下、ツイキャスをご覧下さい。会員の方はZoomでも視聴できます。

ぜひ、ツィキャスをご覧下さい。

ツイキャス http://twitcasting.tv/naibuhibakushim/show/

本日のテーマ

1. [連続講座4] 内部被ばく1ミリシーベルトは放射性セシウムがか
らだに5万1000ベクレルあること。死の危険。放射能の単位、ミリシー
ベルトとは。<続編>

福島県県民健康管理調査検討委員会 検査結果の見かた 1mSvとはセシウム134が2万 セシウム137が3万1000ベクレルあること 枠付き 20110724 拡大版

13:30~14:00 報告 川根眞也

2. 福島県の小児甲状腺がん、原発事故の影響ではないのか?隠され
た初期被ばくを追う。311子ども甲状腺がん裁判に支援を!

14:00~14:30 報告 川根眞也


3. 東電 福島第一原発事故、国に責任はないとした6.17最高裁判決文
を読む/葛尾村、大熊町の「特定復興再生拠点区域」避難指示解除は間違いだ

14:30~15:00 報告 川根眞也


4. ドイツの脱原発とNATOの非核兵器化、日本は何をしているのか?

  15:00~15:30 報告 川根眞也

ツイキャス http://twitcasting.tv/naibuhibakushim/show/

 5月例会より、およそ24回連続で、原発事故と内部被ばくについて連続講座を開いていきます。川根が原発事故以降11年間にかけて、調べて、読み、考えてきたこと。そして、第1種放射線取扱主任者試験の勉強を通じて理解したこと。国際放射線防護委員会(ICRP)、国連科学委員会(UNSCEAR)、国際原子力機関(IAEA)、放射線影響研究所(RERF)、日本の放射線医学総合研究所の、放射線防護学の誤りについて、お話ししていきたいと思います。

 第4回目は放射能の単位、ミリシーベルトとは。<続編>についてです。

 記事1は、2022年6月30日に「特定復興再生拠点」が避難指示解除された大熊町についてのものです。この中で「東北大の吉田浩子研究教授(放射線防護)は「帰還した住民は大半の時間を家の中で過ごす。復興拠点でも住民の被ばく量は年間1ミリシーベルト程度に落ち着くはずで、健康リスクは十分低い」と説明する。」と書かれています。土地の放射能汚染を無視した、暴論です。この帰還困難区域に住民を帰還させることは、緩慢な殺人を意味すると思います。ベクレルとミリシーベルトとの関係を考えていきます。

<参考>

大熊町の土壌汚染はチェルノブイリを超えている 2013年5月6日 内部被ばくを考える市民研究会資料

https://www.radiationexposuresociety.com/archives/2935

[記事1]

福島第1原発事故 大熊町、一部避難解除 復興拠点、かさむ費用 除染・解体、6町村で2911億円 

2022年7月1日 毎日新聞 朝刊 19面

 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県の帰還困難区域のうち、政府が優先的に除染を進めてきた特定復興再生拠点区域(復興拠点)で避難指示の解除が始まった。最初の葛尾(かつらお)村が6月12日から、2例目の大熊町は30日からで、全町民の避難が唯一続く双葉町でも近く解除される見通し。ただ、将来にわたり避難指示が続くとされた帰還困難区域に人が住めるようにする取り組みには、課題も少なくない。【尾崎修二】

 「町の復興に向けた大きな節目だ。ようやくスタートラインに立った」。大熊町のJR大野駅前で30日午前9時、避難指示の解除に合わせて始まったパトロールの出動式で、吉田淳町長はこう述べた。周辺は再開発のまっただ中。行き交うのは、除染や建物の解体に取り組む業者がほとんどだ。

 帰還困難区域は、政府が2011年12月時点で、年間の放射線被ばく線量が50ミリシーベルト(毎時9・5マイクロシーベルト相当)を超え、5年たっても20ミリシーベルトを下回らないと見込まれた地域を指す。県内7市町村(南相馬市、飯舘村、葛尾村、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町)の約3万3700ヘクタール。13年8月までに設けられ、当初は定住できないとされていた。

 だが、政府は16年8月、年月を経て空間放射線量が下がり、地元の要望も根強くあるとの理由で、除染の済んだ一部地域で避難指示を解除する方針を決めた。17~18年には南相馬市を除く6町村に復興拠点を設定し、除染やインフラ整備を優先的に進めた。

 避難指示解除の目安は、線量が毎時3・8マイクロシーベルトを下回ることだ。線量の高い地域ほど、除染の作業は大がかりにならざるを得ない。大熊町下野上の県立大野病院(閉鎖中)前では5月中旬、作業員たちが、歩道のアスファルト舗装の表面を重機ではがし、路盤と呼ばれる部分をさらに5センチ削り取る作業に汗を流した。

 環境省のガイドラインによると、道路の除染は、主として路面を洗い流したり、表面を削ったりする作業だ。だが、大野病院前では、雨水が染み込んだ亀裂の付近の線量が高く、たまった土をかき出しても線量は下がりきらなかった。舗装をはがす除染は双葉町や富岡町でも行われたという。

 環境省によると、ガイドライン記載の作業だけでは除染が不十分な事例は他の復興拠点でも散見された。同じ場所での除染が繰り返され、当初は「今年春ごろ」とされた避難指示の解除は6月末にずれ込んだ。

 大熊町の依頼で除染の効果や手法について検証した小豆川勝見・東京大助教(環境分析化学)は「帰還困難区域の除染は従来と次元が違う。相当な手間とコストがかかる」と指摘する。

 6町村の復興拠点は計約2747ヘクタールで、実際に除染する面積は計約2166ヘクタール。除染はおおむね完了しており、22年度末までの除染費用は家屋の解体費も含めて2911億円に上る見通しだ。1ヘクタール当たり約1億3400万円の計算。住民や自治体の要望があれば、今後もさらに作業を続ける。従来の除染は東電が費用を負担してきたが、帰還困難区域については、住民に対する東電側の賠償は済んだとして、全額が国費でまかなわれる。

福島第1原発事故 大熊町、一部避難解除 復興拠点、かさむ費用 除染・解体、6町村で2911億円 2022年7月1日 毎日新聞 朝刊 19面

残る不安、帰還少なく

 復興拠点の避難指示解除が先行する葛尾、大熊、双葉の3町村は、当面の帰還者がごく一部にとどまる見通しだ。解除を前に、帰還に向けて寝泊まりする「準備宿泊」に登録した住民が、住民票を置く人の1~5%で、合計しても100人強にとどまっている。

 帰還困難区域がある7自治体のうち飯舘村を除く6市町村の住民を対象に、復興庁が21年に実施したアンケートによると、帰還しないと決めている理由(複数回答)で最も多かったのは、避難先に生活基盤が移ったことだ。大熊、双葉両町では6割近くを占めた。一方、空間放射線量や原発の安全性への不安を挙げる人も、大熊、双葉両町では2割強に上る。

 環境省によると、大熊町の復興拠点では、避難指示解除の目安となる線量(毎時3・8マイクロシーベルト)をおおむね下回るものの、毎時1~2マイクロシーベルト前後の地点は屋外に点在している。

 東北大の吉田浩子研究教授(放射線防護)は「帰還した住民は大半の時間を家の中で過ごす。復興拠点でも住民の被ばく量は年間1ミリシーベルト程度に落ち着くはずで、健康リスクは十分低い」と説明する。

 ただ、住民の受け止め方は一様ではない。

 避難指示の解除を待って帰還したいという双葉町の男性(71)は自ら重機を運転し、自宅裏山の樹木を伐採した。落ち葉や表土を取り除く環境省の除染だけでは不安だったからだ。

 線量が局所的に高い「ホットスポット」が自宅の庭で見つかった大熊町の70代女性は「他地域より線量が高いまま『解除』といわれても納得できない」という。「もう放射線は気にしていない」という住民もいる一方で、「子どもを住ませるのは不安」などの声もある。

 「避難指示解除はゴールではなく、復興のスタートだ」。岸田文雄首相は6月5日に葛尾村を視察してこう述べた。残る浪江、富岡、飯舘の3町村にある復興拠点は、来春ごろまでの避難指示解除が見込まれる。

 吉田研究教授は「点在する高線量のスポットには長居しないよう注意を喚起し、帰還する住民が気軽に放射線に関する心配事を相談できる仕組みを作ることが必要だ」と指摘し、政府や自治体が住民に対し、息の長い支援を続けるよう求めている。


帰還困難区域を巡る動向

2011年

  3月 原発事故が発生。その後、20キロ圏内などが警戒区域に

 12月 政府が避難指示区域の再編を決定。新設の帰還困難区域は「将来にわたり居住を制限する」と定義

  13年

 12月 「全員帰還」の原則を転換し、帰還困難区域の住民らの避難先への移住を支援する指針を政府が決定

  16年

  8月 帰還困難区域の一部に「復興拠点」を設けて集中的に除染し、5年後をめどに避難指示の解除を目指す方針を政府が決定

  17年

  6月 政府が復興拠点を国費で除染する方針を決定。その後、18年5月までに各復興拠点を設定。除染やインフラ整備が始まる

  20年

  3月 JR常磐線の全線開通に伴い、復興拠点内にある鉄路や駅周辺の避難指示が解除

  21年

  8月 復興拠点ではない帰還困難区域への帰還希望者の宅地や道路を除染する方針を政府が決定

  22年

  6月 葛尾村と大熊町の復興拠点で避難指示が解除

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